










そうめんつゆをつくって楽しむ 5本
だしと醤油で見つける「わたしの一杯」
職人醤油 No.

手作りそうめんつゆのすすめ
夏といえば、つるっとしたそうめんが恋しくなります。せっかくなら、めんつゆにもこだわってみませんか?
だし・醤油・みりんを組み合わせて作る自家製そうめんつゆは、ほんの少しの配合の違いで、毎回まったく違った表情に。素材の個性が重なり合うからこそ、「きょうはどの味にしよう?」という小さな悩みすら楽しみに変わってしまうかもしれませんよ。
絶品つゆの黄金比率
愛知県碧南市の小笠原味淋の小笠原さんは「めんつゆは、だし:みりん:醤油=4:1:1で絶品!」と声を大にして主張します。「特にうちの妻がつくるめんつゆは相当にレベルが高いですよ」と。
それならばと、複数の醤油で試してみたところ、醤油の種類によっても黄金比率は微妙に変わってくるように感じました。
きほんの作り方
①昆布と鰹で合わせだしを用意
②みりんを鍋で加熱してアルコール分をとばす
③だしと醤油を鍋に加え、弱火で2~3分煮る
④粗熱がとれたら冷蔵庫で冷やす
醤油別のおすすめ比率と特徴
・濃口醤油の場合
だし:みりん:醤油=5:1:1がバランスよし。
甘みもきちんと感じてまろやかな印象で食べ飽きない味わいです。
・溜醤油の場合
だし:みりん:醤油=4:1:1がおすすめ。
濃厚でそうめんを食べ続けてもおいしさが長続きします。
本仕込み熟成二年/岡本醤油(広島県)
木桶で二年間じっくり熟成されたこの醤油は、ほどよい塩味と奥深いうま味、どこか懐かしい丸い香りが特徴です。そうめんつゆに使うと、だしとの相性もよく、醤油らしいしっかりとした味わいと深みが出ます。初めて手作りつゆに挑戦される方にもおすすめ。
だし5:みりん1:濃口醤油1の比率で仕上げると、雑味がなく毎日食べても飽きのこない上品なつゆに。暑い日には氷をたっぷり浮かべて、ねぎや大葉などの薬味とも最高の相性です。「家の味」なのに、特別感もプラスできる、そんな存在だと感じています。

尾張のたまり/丸又商店(愛知県)
じっくり三年熟成させたどろっと濃厚な溜醤油。豆のコクとうま味が際立ちます。濃厚で大豆のパンチがあり、旨味がガツンとくるので、だしのしっかりしたつゆが好きな方にこそ使ってほしい一本。
だし4:みりん1:溜醤油1の比率がベスト。冷やして置くと時間とともにとろみや旨みが強調され、「つゆだけでお酒が飲める」と本気で思った日もあるくらいです。私は揚げなすや鶏肉など、具材を大胆にのせたそうめんに合わせたくなります。ちょっと贅沢したい週末のお昼に活躍します。
みねたから/小笠原味淋醸造(愛知県)
みりんの違いで、つゆの印象はここまで変わるのか!と驚いたのがみみねたから。伝統的な製法にこだわった本みりん。みりん特有の上品な甘みと、しっかりとしたコク、華やかな香りが魅力です。
そうめんつゆに加えることで、だしや醤油の角が取れ、まろやかさや広がりをプラス。上品な甘さと深いコクが透き通るだしや醤油をやわらかく包み、ぜいたくで繊細なつゆに仕上がります。おいしいみりんがいつもある家――正直それだけで料理上手に一歩近づいた気持ちになっちゃいます。
水で割るだけで手軽に使えるだし醤油
忙しい日々のなかでも、おいしいそうめんをさっと食べたい。そんなとき、だし醤油やめんつゆがあると本当に助かります。水や氷で割るだけで、誰でも手軽に本格派の味が楽しめて、味の濃さも自分好みに調整できるのが最大の魅力。薬味やアレンジも無限で、冷やし麺だけでなく、野菜や冷奴のタレとしても重宝します。
でも、いつものスーパーで買う大きなめんつゆにはちょっと飽きちゃったという方や「これだ!」と思えるそうめんつゆにまだ出会えていない気がするという方は、結構多いような気がしています。
これから紹介する2本は、「もっと一歩先のおいしさを味わってみたい」という方にもきっと納得していただけるだし醤油です。普段使いの便利さの中に、「いつもの夏のそうめんが、醤油を変えると、こんなに違うんだ!」感じていただけるとうれしいです。
つゆ/佐々長醸造(岩手県)
昔から変わらぬ、王道のめんつゆの味が欲しくなったら迷わずこれ。かつおだしの香りが豊かで、どこかほっとする味。だし・醤油・みりんのバランスが良く、クセがなくて使い勝手抜群です。希釈タイプなので、その日の気分や薬味の量に合わせて自分好みの濃さにできるところも魅力。子どもも大人も「おかわり!」と言いたくなる万能選手。夏の冷蔵庫に一本あるだけで心強い安心感をくれます。
漆黒/山川醸造(岐阜県)
今日は手間なく、でもちゃんとおいしいつゆが欲しい。そんな日は「漆黒」が大活躍。椎茸と昆布のだし・甘みがきいた濃厚なこのだし醤油は、水や氷で割るだけで完結。うま味がしっかりしているので、私は香味油やすりごま、時にはラー油で変化球をつけるのもお気に入りです。「時短でも味は妥協したくない!」という方は、ぜひ一度体験してみてほしいです。そうめん以外にも、そのまま冷奴やアボカドにかけても◎。
そうめんつゆで楽しい夏の食卓
「今日もそうめんでいいか」ではなく「今日はどの味でいこうか?薬味は何を合わせよう?」と考えながら、気分や家族の好みに合わせて選ぶのも小さな楽しみのひとつ。いろんな顔を持つ醤油とみりん、それぞれの個性が夏の食卓を自由に彩り、豊かにしてくれるはずです。ぜひ、ご自身の「わたしの一杯」を見つけてみてください。
とはいえ、こんな方も多いのでは?
「そうめんつゆをつくるのはちょっとハードルが高いわ」
「水で割るだけの手軽なものだけ欲しいの」
「そうめんは簡単にすぐ食べられてこそそうめんでしょ」
そんなあなたにおすすめのセットももちろんございます!!こちらもあわせてぜひご覧ください。
文:またのみほ(職人醤油)
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