ウスターソース(トリイソース)
ウスターソース(トリイソース)
職人醤油 No.3094
木桶で熟成させたソース
トリイのウスターソースは木桶で熟成しています。出来上がったソースは一度この桶の中に入れられて、瓶詰めされる分だけが再び引き出されます。継ぎ足しソースのような感覚で、新たに注がれてから出ていくまでに平均すると2か月くらいをこの中で過ごしているそうです。
味の均一化と代々のうま味が凝縮される熟成の時を過ごします。この工程はソース業界で珍しいはずで、木桶で熟成させているのはトリイソースくらいだと思います。
ソースは酢と野菜からできている
ソースの原材料は意外と知られていないと思います。社長の鳥居大資さんは「醤油は塩味とうま味を添えるもので、ソースは酸味とうま味を添えるものですよね」と説明されますが、酸味の元になるのが酢で、うま味の元になるのが野菜。それらに香辛料を加えたものがソースになります。
そこで、トリイのウスターソースが大切にするのは、国産野菜100%+自主生産のこだわり酢を使用するということ。使用する野菜は出来るだけ顔の見える生産者や、近隣エリアから仕入れているそうです。収穫されたままの形で運ばれてきて、スタッフの方が刻んでミキサーにかけてペースト状にしています。
酢も自家製
30年以上前から酢も自社醸造しています。地元の酒蔵の吟醸酒の酒粕を元にアルコールを抽出、酢酸菌を繁殖させていく静置発酵法で2ヵ月かけて酢にしていきます。
最適温度が異なる酢と香辛料
シナモンやナツメグ、クローブなど、甘さを引き立てる香辛料の使い方にも特徴があります。香辛料を粉末にして混ぜるのではなく、原形か粗挽き状態で濾し袋に入れ、ソースの中に漬け込むことで香りだけをソースに溶け込ませています。
香辛料は種類によって、熱に強いもの、弱いものがあり、温度と入れるタイミングが大切なのだそうです。漬け込む温度帯を2段階に分け、熱に弱い香辛料は温度が下がってから漬け込むようにすることで、望ましい香りだけをソースにうつします。
香辛料を袋にいれて漬け込むイメージなのですが、「急須でいれたお茶と粉茶をイメージしていただくと分かりやすいと思います。急須のお茶はインパクトは少ないけど、すーっと入ってくる。粉茶は味がストレートだけど苦味も残る」と鳥居さんが説明してくれました。
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