25.丸むらさき100ml
岩手産の原料による仕込みを貫く
職人醤油 No.25
東日本大震災を経て
八木澤商店は早い時期に丸大豆による醤油づくりを手掛け、昔ながらの味を追求してきた老舗ですが、2011年の東日本大震災で一変します。岩手県陸前高田市は大きな被害を受けて蔵も丸ごと流されてしまいました。
「従業員は解雇しない。絶対に蔵は復活させる」と途方に暮れる従業員達に約束しました。本社を陸前高田に残して、翌年には一山越えた一関市の小学校の跡地に工場の建設を開始。一人の従業員も解雇せず、2013年から醤油の出荷を再開させました。
初めて伺ったのはここでした
かつての八木澤商店には、土蔵の蔵の中に木桶が並び、伝統的な製法での醤油づくりの光景が広がっていました。
30年ほど前に醤油といえばスーパーの安売りの目玉商品に象徴されるように低価格が求められていましたが、その時代に、地元産の原料と木桶による仕込み、梃子(てこ)による圧搾と伝統的な醤油づくりを復活させることで一石を投じたのも八木澤商店でした。
地元と一体になり地域と共に成長
「私たちは、食を通して感謝する心をひろげ、地域の自然と共にすこやかに暮らせる社会をつくります。」八木澤商店の経営理念の一節です。
河野さんは震災直後には地元企業の経営者らと「なつかしい未来創造株式会社」という法人を立ち上げたそうです。これは起業家志望の学生をインターンシップとして受け入れ、新たなビジネスプランを考えるという取り組みで、若い力が集まってくることでの地域の活性化と、自身についても「いつか再び陸前高田で醤油を仕込みます」と未来を見つめる河野さんの目は力強いものがあります。
地元産大豆でつくる濃口醤油
「丸むらさき」は岩手の豊な自然が育んだ丸大豆と小麦をつかった濃口醤油で、赤紫色の綺麗な色合いが特徴です。濃厚でうま味たっぷり!というよりはすっきりしていて他の素材と調和しやすいため、使い勝手がとっても良いんです。かけて使うのははもちろん、熱を加える料理の隠し味におすすめです。
いつもの食卓の混ぜご飯
我が家の食卓への登場率高めな混ぜご飯。枝豆としょうがとか、わかめとしらすあたりが定番です。あたたかいご飯に醤油とみりんと酒でつくったたれをかけると、ふわっといい香りがします。「丸むらさき」のように色の明るくすっきりした醤油は、ご飯にも馴染んできれいな色に仕上がりますよ。
醤油といえばこの香り
縁日の屋台の焼きとうもろこしの芳ばしい香り。日本人なら、この香りが嫌いな人はいないのでは!?醤油を焦がすことによっての魅力的な香りをご家庭でも。とうもろこしの甘みも引き立ちます。
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