






まずはこれから始めよう!ステーキ入門編
職人醤油 No.
醤油の基本、知っていますか?
醤油は6つに分類されています。白醤油、淡口醤油、甘口醤油、濃口醤油、再仕込醤油、溜醤油です。これらの違いは、仕込みの期間や発酵の仕方、使う原材料などによるもの。だからこそ、それぞれに色・塩分・味わいが異なり、使い分ける楽しさがあるのです。
日本で生産される醤油のうち、約8割を占めるのが濃口醤油。うま味・甘み・香りのバランスが絶妙で、どんな料理にも合う万能タイプです。
◆白醤油・淡口醤油
仕込み期間が短いため、色が淡く、味わいもあっさり。
◆再仕込醤油・溜醤油
仕込み期間が長く、原材料も多い。色が濃く、うま味も力強い。
◆甘口醤油
ベースの醤油に甘味料をプラス。九州や北陸などの地域で根付いた味。
今回は、淡口醤油・濃口醤油・再仕込醤油・溜醤油・ちょっと変わった醤油の5本をセレクトしました。
赤身肉のうま味をしっかり味わいたい
噛みしめるほどに広がる、赤身ステーキのうま味と力強さ。その濃さにしっかり寄り添ってくれるのが、この「尾張のたまり」です。見た目からも伝わる、どろっと濃厚な質感。原材料は、愛知県産の丸大豆と塩だけ。小麦を使わないグルテンフリーの溜醤油で、杉桶で3年間じっくりと熟成されています。特徴は、凝縮されたコクと、長期熟成ならではのまろやかさ。しょっぱさよりも、大豆由来の深いうま味がぐっと感じられる味わいです。
熱を加えるとふわっと香りが立つので、焼きたてのステーキに黒胡椒とこの醤油をひとたらし。それだけで、シンプルなのに贅沢な大人のステーキが完成します。赤身肉をとことん楽しみたい方に、ぜひ一度味わっていただきたい1本です。
とろけるような和牛の脂の甘みを感じたい
しっとりとした舌ざわり、とろける脂の甘みが魅力の和牛のサーロイン。肉の繊維に細かく入り込んだサシは、火を入れるとじゅわっと溶け出し、噛まずともうま味が広がるほどの柔らかさに。脂が多い部位だからこそ、醤油でシンプルに食べるのがいちばんの贅沢だと思っています。特におすすめなのが、「京丹波六右エ門 黒大豆みそたまり」。これは少し変わり種の一本で、天然醸造の濃口醤油に、丹波の黒大豆味噌からとれる「みそたまり」を30%以上ブレンドしています。醤油の塩角がとれたまろやかさに、味噌由来のコクと香りが加わり、甘み・香り・うま味のバランスが絶妙。
このまろやかな醤油が、とろける脂と重なり合うことで、サーロインの甘みをより深く引き立ててくれます。醤油が肉を包み込むような一体感は、この醤油ならでは。まさに、至福の一皿をつくるための醤油です。
わさびと醤油のバランスは圧倒的
ステーキにわさび醤油。これはもう定番ですが、ただの醤油ではもったいない。赤身のうま味がしっかり感じられるような、ちょっといいお肉を手に入れた日。塩で食べるのもいいけれど、迷ったときこそ「菊醤」の出番です。原材料は、黒豆の中でも特に大粒で風味豊かな丹波の黒豆。小麦は香川県産の「さぬきの夢2009」を使用し、32石の大杉樽で2年間じっくり熟成した濃口醤油。この手間と時間が、「菊醤」の深い味わいと香りを生み出します。あっさりとした”キレ”のあるうま味に、ほんのりと感じる自然な甘み。そして、澄んだ美しい色合いと、鼻を抜ける香り高さ。この“キレ”があるからこそ、わさびの爽やかな辛みが引き立ち、最後まですっきりと楽しめるのです。
一口目、まず広がるのは醤油のうま味。そのあとから、じわりと肉のうま味が追いかけてくる。そんな余韻まで美味しいバランス感が、たまりません。「菊醤」で味わう、大人のわさび醤油ステーキ。ぜひ一度、お試しください。この相性、圧倒的です。
濃厚の極みー再仕込醤油+にんにく・バター
がっつり食べたい日。お肉をがぶっと頬ばって、ご飯をかきこみたい。そんな時は、濃厚でコクの強い再仕込醤油に、香ばしいにんにくやバターを合わせて、こってり濃い味仕立てに。ご飯が止まらなくなる、背徳感たっぷりのステーキに仕上がります。なかでもおすすめは、「重ね仕込み醤油」。再仕込醤油の中でもトップクラスの濃厚さを誇り、どっしりとしたコク、独特な酸味と香り、そしてどろっとした質感が特徴です。その存在感は、もはや醤油というより“ソース”に近い感じ。魚よりも断然、赤身肉や脂のあるお肉に合わせたくなる味わいです。しかもこの「重ね仕込み醤油」は加熱殺菌をしていない生しょうゆ。だから、アツアツのステーキにかけた瞬間「ジュッ!」と音を立てて香ばしい香りが立ちのぼり、一気に食欲スイッチが入るのです。
香り・音・味。この三拍子そろったごちそう演出は、まるで鉄板レストランの一皿。・醤油+バターで、濃厚なごちそう感を。・醤油+にんにくで、パンチ力MAXに!最後のひと口まで飽きずに、ステーキを楽しんでいただけると思います。
ステーキを淡口醤油で上品に
がっつりもいいけれど、今日はあっさり、繊細に。そんな日もありますよね。肉のうま味をダイレクトに感じたいときは、意外かもしれませんが淡口醤油が合うのです。淡口醤油の中でも「淡紫」は、米麹を使用しているため、塩味は濃口醤油よりも控えめで、色も淡く、とてもまろやかな味わい。素材のうま味をそっと引き立ててくれる名脇役です。すっきりとした塩気で引き締めつつ、しっかりとうま味は感じられるので、醤油はあっさりでも、ステーキの深い余韻を楽しめます。
- わさび醤油で、あっさりさっぱりと。
- レモンなどの柑橘と合わせて、酸味を楽しんで。
- 大根おろしと合わせて、余韻もすっきりと。
「和のさっぱりステーキ」は、やさしい淡口醤油で。肉のうま味を、静かにじっくり味わう時間になりますよ。
文:もーり(職人醤油)
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